バツ1になってから、早くも5年の月日が過ぎ去っていました。
女手一つ育てた一人娘も、今春、無事高校に進学することができ、母親として最低限の役目は果たせたかなと安堵していた頃、高校時代の親友から久し振りに連絡がありました。
何か不幸が有ったのかと思い急いで返事をすると、娘の進学祝いをしたいから、娘と3人で食事をしないかという誘いの連絡だったのです。
娘にその旨を告げると、「私も頑張ったけれど、一番頑張っていたのはお母さんなんだから、今回は○○おばちゃんと楽しんできなよ」と大人びた嬉しい答えが返ってくるではありませんか。
自分へのご褒美の意味でも、今回は娘の好意に甘えさせてもらうことにしました。
事前に、親友から「その日は少しお粧しをして来てね!」と言われていたので、20代の頃、好きで良く着ていた真っ黒なワンピースを箪笥の奥から引っ張り出して、外出しました。
繁華街のネオンを見るのも久し振りだったので、チカチカと明滅する光を見ているだけで、何か心がウキウキしてしまいます。
約束の時間に約束した地下鉄駅の改札口に行くと、昔一世風靡した黄色のボディコンに身を包み、オフホワイトのピンヒールを履いた親友が、気取った様子で私を待っていました。
「どうしたの、その格好!?」
お互いにクスクス笑いながら、地下鉄の階段を上がり、地上に出ると、
「ちょっと面白いお店を知っているんだけど、行ってみない?」
と唐突に提案をしてきました。
(昔と何にも変わっていないなぁ~。)と思いながらも、
「興味ある。行こう、行こうよ」と答える私自身も何にも変わっていないことに気付いたのです。
彼女の案内で連れてこられたお店「Oriental Lounge JIS」は、繁華街のほぼ中心にある瀟洒なビルの1Fにありました。
何にが何だか分らないまま、お店の中に通された私は、その都会的な雰囲気にすっかり飲まれてしまい、ファーストドリンクで何を頼んだのかさえ覚えていない状態になっていました。
友達の話では、出会いを求める男女が合コンスタイルで楽しめるラウンジバーということで、彼女もネットでこのお店の情報を得たらしいのですが、その日は極度に緊張してしまい、何人かの男性とお話したのですが、その内容は全く記憶に残っていません。
「○○ちゃんも高校に進学できた訳だし、○○もそろそろ次の出逢いを求めてもいいんじゃないの?」
という友人の策略に見事に嵌ってしまった私でしたが、「このような出会い方も良いかもしれないなぁ」と思い始めている今日この頃です。
今後も、ネットでこのお店の情報を逐一チェックしながら、週に1度くらいは出没しようかなと考えています。
tamacooさんからの投稿でした。